9月搭乗予定のZIPAIRの成田-ホノルル便を家族で予約した際、フライトのキャンセルに備える方法として私は2つの選択肢に直面しました。
一つはZIPAIRの有料オプション「Flex Bizパッケージ」を追加購入する方法、もう一つは旅行キャンセル保険(Chubb社)に加入する方法です。どちらもキャンセル時の損失を減らす手段ですが、その内容や条件、メリット・デメリットは大きく異なります。子連れのコスパ重視旅行者である私の実体験を踏まえて、Flex Bizとキャンセル保険の違いを比較・解説し、どちらを選ぶべきかの判断ポイントをまとめます。

飛行機を取ってから当日までにキャンセルにならないか不安になるよね

最悪キャンセルになっても安心できるように準備をしましょう
ZIPAIRの「Flex Biz」とは?内容とメリット
まず、ZIPAIRが提供する**「Flex Biz(フレックス・ビズ)」パッケージ**の内容を確認しましょう。Flex Bizは航空券購入時に追加料金を支払って利用できるサービスパッケージで、以下の3つの特典が含まれています
- 予約キャンセル時のバウチャー払い戻し – フライトをキャンセルした場合、次回ZIPAIR利用時に使えるクレジット(バウチャー)で運賃の払い戻しを受けられます
- 機内持ち込み手荷物の重量追加 +8kg – 通常7kgの機内持込手荷物枠にプラスして合計15kgまで持ち込めます
- 事前座席指定の無料化 – 通常は有料の座席指定料が無料になります
メリット1: 予定変更時の柔軟性 – Flex Biz最大の特徴は、急な予定変更で旅行をキャンセルせざるを得なくなっても、航空券代が無駄にならない点です。出発30日前までなら運賃の100%、7~29日前でも80%がバウチャー(クーポン)として払い戻されます
理由を問わずキャンセルできるので、「仕事の都合で出張が延期になった」「子どもの学校行事が入った」など自己都合のキャンセルにも対応可能です。格安航空会社(LCC)の格安運賃は基本キャンセル不可が多い中、Flex Bizを付けておけば**有料ではあるものの実質“払い戻し可能な運賃”**にできるわけです。
メリット2: オプション料金の節約 – Flex Biz料金には座席指定料と手荷物追加料金が含まれるため、これらを別途オプションで支払う場合と比べてお得になる場合があります。例えばZIPAIRでは通常、7歳以上の乗客は座席指定に追加料金がかかります。しかしFlex Biz利用者は好きな席を無料で指定可能です。また機内持込荷物を増やせるので、追加の受託手荷物料金を節約できる可能性があります。特に長距離路線では荷物が増えがちなので、このメリットは見逃せません。
メリット3: 精神的な安心感 – 上記の柔軟性から、旅行プランが不確定な場合でも「万一キャンセルしてもお金が無駄にならない」という安心感が得られます。ビジネス出張や家族旅行で日程変更リスクが高い場合に、Flex Bizは心強いオプションと言えるでしょう。「自由な旅」をサポートするサービスとの謳い文句もうなずけます。
なお、料金は路線や席種によって異なります。例えば私が利用した成田~ホノルル路線では、エコノミー(Standard)席の場合片道あたり約8,500円(往復なら約17,000円)でFlex Bizを追加できます
ZIPAIRの他路線ではもう少し安価な設定もありますが、長距離路線ほど高めの価格設定です。
Flex Bizの注意点:バウチャー条件と制約
便利なFlex Bizですが、利用にあたって注意すべきポイントやデメリットも存在します。実際に検討してみて分かった主な注意点を挙げます。
- 払い戻しは現金ではなくバウチャー(クーポン)
Flex Bizでキャンセルした場合の払い戻しは、あくまで「次回以降のZIPAIR予約で使えるバウチャー」です。現金やクレジットカードへの返金ではありません。バウチャーは発行から180日間(約6ヶ月)の有効期限があり、その期間内にZIPAIRの航空券やオプション購入に充当しないと無効になります。さらに他人への譲渡不可で、バウチャー名義人が搭乗者に含まれている予約でしか使えません。つまり、キャンセル後に「当分ZIPAIRに乗る予定がない」「バウチャーを使うあてがない」場合、せっかく払い戻された運賃も無駄になってしまいます。 - キャンセル期限によって返金率が異なる
前述の通り、出発7日前までにキャンセルすれば運賃の80~100%がバウチャー返金されますが、出発6日前を切ると運賃部分の払い戻しは受けられません。具体的には出発前6日以内(直前~前日)のキャンセルでは、支払済みの税金相当額のみが元の支払い手段に返金され、運賃・料金は戻らなくなります。例えば搭乗前日に急病でキャンセルしても、数万円の運賃は戻らず数千円の税金しか返ってこない計算です。Flex Bizを購入していても直前のキャンセルは事実上保証されない点に注意が必要です。このため「前日に子どもが発熱したら…?」というケースはFlex Bizではカバーされず、不安が残りました。 - 払い戻し手数料がかかる
Flex Bizでキャンセルしてバウチャー払い戻しを受ける際、バウチャー発行手数料として返金額の3%が差し引かれます。例えば運賃10万円を出発2週間前にキャンセルした場合、本来8万円相当のバウチャー払い戻しとなりますが、そこから3%(2,400円)が手数料として差し引かれ、実際のバウチャー額は77,600円になります。わずかな割合ではありますが、全額は戻ってこない点は認識しておきましょう。 - 追加費用がそれなりに高額
Flex Biz自体の料金(オプション料金)は決して安くありません。特に家族旅行など複数人で往復利用する場合、人数分・往復分のコストがかさみます。例えば大人2人・子ども1人で往復分すべてにFlex Bizを付けたら、ざっと5~6万円程度追加になる計算です。座席指定料や荷物料が含まれるとはいえ、それらを個別に払う場合と比べて大幅な割引があるわけではないため、「保険」として考えると割高に感じる場合もあるでしょう。
以上のように、Flex Bizは確かに魅力的なサービスですが、「払い戻し=バウチャー」であることやキャンセルタイミングの制約など、押さえておくべき制限があります。特に「今後半年以内にまたZIPAIRに乗る予定があるか」「キャンセルするとしたら直前ではなく早めになりそうか」といった点が、Flex Bizの価値を左右します。
キャンセル保険(Chubb)の補償内容と補償対象外事項
一方で、私が比較検討した**旅行キャンセル保険(Chubb損害保険の「旅のキャンセル保険」)**について、その内容を解説します。キャンセル保険とはその名の通り、旅行をやむを得ずキャンセルした場合に発生するキャンセル料・損害を補償してくれる保険です
ZIPAIRの場合、予約時にオプションで案内があり私はそちらから加入しましたが、内容は一般的な旅行取消保険と同様です。
補償される主なケース(キャンセル理由):保険加入後に以下のような不測の事態が起こり、旅行を中止せざるを得なくなった場合に、キャンセル費用の補填を受けられます
- 旅行者本人や家族の病気・ケガ – 旅行者本人が事故や急病で入院・自宅療養が必要になり旅行不能、または同行予定だった配偶者や親族の重篤な病気・ケガによるキャンセル。医師の診断書があれば補償対象です(医師から旅行中止を指示された場合)。
- 旅行者本人や親族の死亡、危篤 – 不幸にも旅行者本人・配偶者・親族に死亡事故があった場合や、命に関わる重篤な容体(危篤)になった場合。
- ペットの死亡・危篤 – 愛犬や愛猫などペットが死亡または危篤状態となり旅行どころではなくなった場合。
- 交通機関の大幅遅延 – 出発当日、空港まで向かう電車・バスなど公共交通機関が事故等で1時間以上の遅延となり、搭乗予定のフライトに間に合わず旅行を断念せざるを得ない場合。
- 自然災害や事故による渡航困難 – 旅行先の現地で大規模な自然災害(地震・噴火・津波等)が発生し渡航が危険になった場合、または旅行先に災害による避難勧告が発令された場合。さらに日本国外での大規模災害で旅行自体を取りやめるケースも該当します。
- その他突発的な事故・事件 – 上記以外にも、例えば出発直前に自宅が火災・浸水被害に遭った、旅行同行者が急病になった等、「突発的で避けられない事由」により旅行キャンセルを余儀なくされたケースは広く補償対象となりえます(詳細は保険約款によります)。
要するに、旅行者の責任ではない予期せぬアクシデントが理由で旅行をキャンセルしなければならなくなった場合、キャンセル保険はそのキャンセル費用(航空券やツアー代金の取消料など)をカバーしてくれるのです。
補償の対象外となる主なケース:逆に、以下のような理由ではキャンセル保険を使っても保険金が支払われないので注意が必要です
- 保険加入前から既に発生していた事由 – 保険契約を申し込む前にすでに起きていた出来事に起因するキャンセルは対象外です(例:加入前から患っていた持病の悪化によるキャンセルなどは不可)。
- 旅行者の自己都合によるキャンセル – 単なる気分や予定の変更、「仕事が忙しくなったからやめる」「行く気が失せた」といった主観的・任意のキャンセルは補償対象外です。雇用先からの出張中止指示など業務都合も自己都合に含まれます。
- 通常の妊娠・出産によるキャンセル – 妊娠自体は病気ではないため、つわり等で旅行を取りやめても補償されません(ただし妊娠中の異常や合併症で安静指示が出た場合などは医師の指示として補償対象になり得ます)。
- 旅行代金が全額返金される場合 – 航空会社や旅行会社側の事情で旅行がキャンセルとなり、旅行代金が払い戻される場合は、そもそも損害が発生しないため保険の出番はありません。例えば航空便の大幅欠航で航空会社が全額払い戻しに応じた場合などが該当します。
- 旅行会社の業務手数料部分 – ツアー取消時の旅行会社所定の取り消し手続料・事務手数料などは補償対象外です(航空券単体の場合あまり関係ありませんが、パッケージツアーでは一部手数料が保険適用外になることがあります)。
- 社会情勢への不安等によるキャンセル – 渡航先の治安悪化や感染症流行など「なんとなく不安だからやめておこう」といった理由でキャンセルする場合、それだけでは補償されません。例えばコロナ禍で「感染が心配だからキャンセル」は対象外(実際に感染した場合は対象)という具合です。
- その他保険約款で定める補償除外事項 – 戦争や紛争に起因するケース、公的機関の命令による渡航中止(渡航禁止令等が出た場合は航空会社対応となるでしょう)など、契約約款上支払い対象とならないケースがあります。詳細は重要事項説明を確認する必要があります。
以上を見れば明らかなように、キャンセル保険は**「誰のせいでもない不幸な出来事」に備える保険であり、「行きたくなくなった」「別の用事が入った」といった主観的な理由では使えない**ことが分かります
裏を返せば、Flex Bizのように「理由不問でキャンセルOK」とは異なり、保険金請求にはそれ相応の理由証明(診断書など)が必要です。
では、キャンセル保険を使うと具体的にどの程度保証されるのでしょうか。基本的には支払った旅行代金(航空券代金やツアー料金)の取消料相当額が上限まで補償されます
私の場合、成田〜ホノルル往復の航空券代約4.5万円に対し、補償上限14万円のプランに加入しました。保険料は約13,000円で、万一キャンセル事由が発生した場合は最大14万円まで払い戻しを受けられる契約です。
保険料は補償額や旅行日数によって変動しますが、概ね旅行代金の5~15%程度が目安のようです(高額なほど割合は若干下がる傾向)。
保険金が支払われる場合、基本的には現金(またはクレジットカード払い戻し)という形で受け取れます。航空会社のバウチャーのように使い道が限定されることはなく、キャンセルで失ったお金そのものが戻ってくる点は大きな利点です。また家族旅行など複数人分まとめて予約していた場合でも、一つの保険契約で同行者全員分のキャンセル費用をカバーできます(請求時は各人のキャンセル費用の領収証等を提出)。万一何も起こらなければ保険金は下りず掛け捨てにはなりますが、これは保険なので割り切るしかありません。
私がFlex Bizを選ばずキャンセル保険にした理由
ここまで両者の特徴を説明しましたが、実際に私自身が最終的にFlex Bizを付けず、キャンセル保険を選択した理由をお話しします。家族(大人2名+子ども2名)でのハワイ旅行という前提で、検討の結果以下の点から保険の方が得策だと判断しました。
- 座席指定料が無料対象だったため – 我が家では幼児(6歳未満)の子どもがいたため、ZIPAIRでは子どもと隣の大人1名の座席指定が無料になります。実際、予約時にも子供連れの場合の座席指定無料措置が適用され、隣席の大人1名分も含めて追加料金なしで席を確保できました。つまり座席指定無料というFlex Bizのメリットが、もともと我々には不要だったのです。大人だけの旅行であれば座席指定料(1人あたり数千円)が浮く恩恵はありますが、今回は元々払う必要がなかったため、Flex Bizに付加価値を感じにくい状況でした。
- 直前の体調不良リスクに備えたかったため – 小さな子ども連れの旅行では「前日に子どもが熱を出した」「急に親が体調を崩した」といった事態もあり得ます。私自身、このリスクを一番心配していました。Flex Bizでは上述の通り出発直前(6日前以内)のキャンセルは運賃が戻らないため、例えば前日に子どもが発熱して旅行中止となった場合、航空券代約14万円がほぼ丸々無駄になる可能性があります。せっかくFlex Biz料金を払っていても、このケースではバウチャーすら発行されないのです。これはとても避けたい損失でした。一方、キャンセル保険であれば医師の診断書提出により「旅行者や家族の疾病によるキャンセル」として保険金支払い対象になります。極端に言えば出発当日であっても、病気・ケガなど正当な理由があれば補償されるので安心感が段違いでした。
- バウチャーより現金で返ってくる方がありがたい – ZIPAIRのバウチャーは使い勝手自体は悪くないものの、やはり現金には劣ると感じました。今後6ヶ月以内にまたZIPAIRで旅行する計画が絶対あると言い切れれば別ですが、私たちの場合ハワイ旅行は数年に一度のペースです。仮にキャンセルしてバウチャーを受け取っても、その有効期限内に再びZIPAIRを利用できない可能性がありました。またバウチャーは名義人本人が搭乗者に含まれる予約でしか使えないためl、家族や友人に譲ることもできません。その点、保険金であれば現金同等ですから、キャンセル後に航空会社や旅行会社を問わず自由に使えるお金として戻ってきます。将来のZIPAIR利用を約束できないなら、バウチャーより現金補償の方が確実と判断しました。
- 総合的に見て保険の方が割安だったため – コスト面の比較でも、我が家のケースではキャンセル保険の方が合理的でした。成田-ホノルル往復のFlex Biz料金は1人あたり往復約17,000円なので、大人2名で計34,000円ほどになります(子どもは座席指定無料の恩恵がありますが、キャンセル返金を受けたければ子ども分もFlex Biz加入が必要です)。一方、旅行キャンセル保険の保険料は13,000円程度です。保険料の方が約2万円以上安く、補償額も大きいわけです。もちろん保険は条件付きの補償ですが、主に懸念していた病気キャンセルをカバーできるので十分と考えました。仮に旅行を無事決行できれば保険料は掛け捨てですが、Flex Bizだって使わなければ払い戻しを受けないので支払損になる点は同じです。**「高いFlex Bizにするくらいなら、その半額以下で万一に備えた方がコスパが良い」**というのが率直な感想でした。
以上の理由から、私はFlex Bizを付けずキャンセル保険のみ加入することに決めました。結果的に旅行は予定通り実行できたので保険は使用しませんでしたが、「もしもの時は保険がある」という安心感があったおかげで、直前まで落ち着いて準備を進められました。
Flex Bizとキャンセル保険の比較表
それでは、改めてZIPAIRのFlex Bizとキャンセル保険の違いを整理するため、主な項目を比較表にまとめます。どちらを選ぶか迷っている方は、以下の表で特徴をつかんでみてください。
項目 | ZIPAIR Flex Biz | 旅行キャンセル保険 (Chubb) |
---|---|---|
追加料金 | 約¥8,500/片道(成田-HNLエコノミーの場合) ※席種・路線で変動。往復や人数分は加算。 | 約¥13,000 ※保険金額により変動。例は筆者家族のケース。 |
座席指定 | 含まれる(事前座席指定無料) | 別途必要(子連れの場合、子と隣の大人1名は無料) |
手荷物許容量 | 機内持込+8kg(合計15kgまで可) | 変更なし(基本許容量のみ。必要なら別途有料手配) |
キャンセル理由 | 任意(どんな理由でもOK) ※自己都合でも可。ただし… | 限定的(保険約款で定められた事由のみ) ※病気・ケガ、親族の不幸、災害等 |
キャンセル期限 | 出発7日前まで(それ以前) ※出発6日前以内は運賃払い戻し無し | 出発直前まで対応(当日でも可) ※事由発生時点で旅行中止ならいつでも請求可 |
払い戻し内容 | **バウチャー(クーポン)**による返金 ※有効期限180日、名義本人のみ利用可 | **保険金(現金)**による補償 ※振込やカード返金。用途制限なし |
払い戻し額 | 運賃全額または80%(タイミングに応じ) ※払い戻し時3%手数料差引。6日前以降は税のみ返金。 | キャンセル費用の実費(取消料)を補償 ※上限は設定保険金額まで。 (例:全額¥140,000まで補償) |
メリット | ・キャンセル理由を問わず柔軟 ・座席指定料/荷物料の節約 ・次回ZIPAIR搭乗時に費用充当可 | ・急病など直前の中止も補償 ・現金同等で返金 ・ZIPAIR以外でも再旅行可能 |
デメリット | ・バウチャーは半年以内限定利用 ・直前キャンセルは実質補償なし ・再旅行予定がないと無価値 | ・自己都合キャンセルは対象外 ・保険適用に理由証明が必要 ・何も起こらなければ掛け捨て |
この表からも分かるように、Flex Bizは「理由や状況を問わずキャンセル可能だが、前提として再びZIPAIRに乗ることが必要」であり、キャンセル保険は「条件を満たす事由の場合のみお金が戻るが、現金で補償され使い勝手が良い」という違いがあります。
どちらを選ぶべき?判断のポイント
では、実際に旅行計画を立てる際、Flex Bizとキャンセル保険のどちらを選ぶべきなのでしょうか。人それぞれ事情は異なりますが、以下のポイントを参考に判断すると良いでしょう。
- キャンセルリスクの種類を考える: 自分の旅行が中止になるとしたら、どんな理由が考えられますか?仕事の予定変更や気持ちの変化など「自己都合」が主な不安なら、Flex Bizの方が適しています。理由を問わずキャンセルできますから、早めに予定変更が分かった時点でバウチャー払い戻しを受ければ損失は最小限です。一方、「病気や不慮の事故」「子どもの体調」「親の介護や不幸」といった不可抗力的なリスクを重視するなら、キャンセル保険に軍配が上がります。特に直前のキャンセルリスクがある場合、Flex Bizでは対応できないため保険が安心です。
- 今後半年以内にZIPAIRを再利用する可能性: Flex Bizのバウチャーは発行後180日間しか使えません。その期間内にZIPAIRで再び旅行する予定や可能性が高いなら、バウチャーでも問題ないでしょう。「今回ダメでも、近いうちに振り替えてZIPAIRで行くさ」と思えるならFlex Bizの価値は高まります。しかし、「今回の旅行が当面唯一の予定」「次は他社便で行くかも」という場合は、バウチャーを使わず失効させてしまうリスクがあります。再利用の見込みが低い場合は現金で返ってくる保険の方が無駄がありません。
- 付帯サービスの必要性: Flex Bizには座席指定無料や手荷物追加など、払い戻し以外の付加価値があります。これらオプションを個別購入するつもりだったなら、まとめて付いてくるFlex Bizにすれば手間も省けてトータルではお得になるかもしれません。逆に言えば「座席指定もしないし手荷物も増やさない」という人にとっては、Flex Biz料金のうち相当額が無駄になります。自身の旅行スタイルに照らし、これら付帯サービスの有用性も判断材料にしましょう。
- 家族構成・旅行人数: 一人旅なのか家族旅行なのかでも選択は変わります。家族旅行で人数が多いほどFlex Biz料金は高額になりますが、キャンセル保険は旅行代金に応じた保険料なのでグループ全体をまとめてカバーしやすいです。例えば総額20万円の家族旅行なら保険料は1~2割程度(2~3万円)でしょう。一方Flex Bizは人数分×往復で簡単に数万円に達します。大人数なら保険が割安、少人数ならFlex Bizも現実的といった傾向があります。
- 旅行費用とリスク許容度: 仮にどちらも選ばず何も付けない場合、キャンセル時の損失額を自分で負担することになります。その金額とリスクを天秤にかけてみましょう。「最悪○万円失っても仕方ない」と思えるなら、あえて有料オプションに入らず自己負担リスクを取るのも一つの考え方です。逆に「○万円も無駄にするのは絶対避けたい」と感じるなら、保険料やFlex Biz料金を払ってでも備える価値があります。旅行代金が高額になるほど、何も準備しないリスクは大きくなります。
- 航空会社の好み・今後の旅計画: ZIPAIRを今後も頻繁に使う予定があるなら、バウチャーは事実上のポイントのようなものです。LCCに慣れていて融通を利かせたい人、今後もZIPAIRや同路線をリトライする意向がある人にはFlex Bizは良い選択でしょう。一方、「次回は別の行き先に行くかも」「他社のセールを狙うかも」といった場合は、特定航空会社でしか使えないバウチャーより汎用性の高い現金を得られる保険の方が賢明です。
以上のポイントを踏まえ、自分の状況に合った方を選ぶのがベストです。迷ったときは「一番避けたい最悪の事態は何か?」を考えてみてください。そのシナリオに強い方を選べば、後悔は少ないでしょう。
まとめ:賢く選択して安心・お得な旅を
旅行予約時のオプション選びは悩ましいですが、Flex Bizとキャンセル保険の特徴を理解すれば、自ずとどちらが自分に向いているか見えてきます。簡単にまとめると:
- Flex Bizは座席指定や手荷物枠拡大も付いた「有料柔軟運賃オプション」。理由を問わずキャンセル可能で次回の旅行に費用を回せますが、返金はバウチャー限定で期限や条件があります。今後もZIPAIRを利用する人向き。
- キャンセル保険は特定の不測事態に備える保障。病気や事故など起これば現金で損失補填され安心ですが、理由を選ぶ点と掛け捨てになる点で保険特有の制約があります。旅行中止リスクが読みづらい人や直前まで不安な人向き。
私自身は**「子連れ旅行の直前キャンセルリスク」**に備えてキャンセル保険を選び、結果的に安心料として納得できました。読者のみなさんも、ご自身の旅行タイプやリスク許容度に合わせてベストな選択をしてみてください。しっかり検討しておけば、いざという時も慌てず対処でき、ムダな出費を最小限に抑えつつ快適に旅行を楽しめるはずです。旅の計画段階からリスク管理をして、ぜひ賢くお得に、そして安心して旅行を楽しんでくださいね。
