かつて、私は「足し算」の人生を生きていました。新しい物、新しい人、新しいスキル――とにかく増やしていくことが、自分の成長や成功の鍵だと信じていました。しかし、ふとした時に気づいたのです。たくさんの物事を積み上げてきたはずなのに、なぜか心が疲れ切っている。余裕がない。何かが足りない――いや、むしろ「多すぎる」のではないかと。
そこから始まったのが「引き算」の人生です。「もっと、もっと」と求めるのではなく、むしろ減らしていくことで自分の中に余裕が生まれ、幸福度が飛躍的に上がった経験を元に、今回の記事を綴っています。
生きていると色んな事があって疲れるよね
大事なもの以外引いていくと楽になるよ
人脈の足し算 vs 人間関係の引き算
昔の私は、とにかく人脈を広げようと必死でした。毎週のようにネットワーキングイベントに参加し、SNSでも新しい繋がりを増やそうとしていました。名刺がどんどん増えていく度に「これが成功への道だ」と信じていたのです。
でも、ある日気づいたんです。たくさんの人と繋がっているはずなのに、なぜか孤独を感じていることに。表面的な会話にエネルギーを費やすよりも、本当に心を通わせられる人たちとの時間を大切にしたいと思うようになりました。
その瞬間から、「引き算」の実践が始まりました。親しい友人や家族とだけ深く繋がるようにし、余計な人間関係を断捨離。すると、驚くほど心が軽くなり、孤独感が消えていったのです。
TIPS: 付き合う人を選び、信頼できる少数の人々との時間を大切にする。
服の足し算 vs 服の引き算
私はファッションにはあまり興味がない人間でしたが、なぜか服だけはどんどん増えていきました。セールがある度に新しい服を買い足し、クローゼットはいつもパンパン。けれど、朝の服選びが毎日ストレスで、何を着るべきか迷う時間が苦痛でした。
そこで決意したのが「服の引き算」。クローゼットにあるものを厳選し、お気に入りだけを残すと、朝の迷いがなくなり、むしろ時間に余裕ができたのです。服を減らしたことによって、心も軽くなった瞬間でした。
TIPS: 自分が本当に気に入っている服だけを残し、無駄な選択肢を減らす。
収納の足し算 vs 物の引き算
昔の私は「収納を工夫すればすべて解決する」と思っていました。新しい棚や箱を買い足し、家の中の整理を試みました。でも、いくら収納を増やしても、物が減るわけではありません。むしろ、収納スペースが増えると、そこに詰め込んでしまう物も増えるばかり。
ある時、「物自体を減らせば、収納の問題も解決するのでは?」と気づきました。そこで大規模な断捨離を実行。結果、家の中が驚くほどスッキリし、収納方法に悩む必要もなくなりました。少ない物で生きる喜びを実感しました。
TIPS: 使っていない物を思い切って手放し、収納スペースそのものを減らす。
睡眠の足し算 vs 睡眠の引き算
以前の私は、夜遅くまで起きていることが「頑張っている証拠」だと思っていました。深夜まで仕事をしたり、趣味に時間を使ったりと、夜の時間を何とかして増やそうとしていました。でも、翌日の疲労感は残り、逆に生産性が落ちてしまうことが多かったのです。
そこで思い切って、夜は早めに寝ることにし、朝にエネルギーを充電するスタイルに変更しました。すると、日中の時間が飛躍的に有効活用できるようになり、むしろ短時間で多くのことをこなせるようになりました。
TIPS: 夜はしっかり寝て、日中の活動時間に集中する。
Todoリストの足し算 vs タスクの引き算
Todoリストにタスクを溜め込む癖がありました。リストが長くなるほど、達成感よりもプレッシャーが強まり、リストを見るだけで疲れてしまっていたのです。何度も「明日やろう」と先延ばしにすることも多く、気づけばリストが膨れ上がっていました。
そこで取り入れたのが「その場でやるべきか今決める」引き算の考え方です。その瞬間にやれることはすぐに終わらせることで、リストの溜まり具合が減り、心も軽くなりました。
TIPS: Todoリストを見直し、やれることはその場で完了させる。
予定の足し算 vs 予定の引き算
スケジュールを詰め込むことが、自分が「忙しい」と感じる手段だったことに気づきました。しかし、それは単に「忙しいふり」をしていただけで、余裕のなさが心のストレスを生んでいたのです。
そこで、予定を最小限にして、余白の時間を作ることにしました。家族と過ごす時間や、一人でリラックスする時間が増え、心に余裕が生まれました。余白の時間こそが、心の充電時間だったのです。
TIPS: 予定を詰め込みすぎず、余白の時間を意識的に確保する。
知識の足し算 vs 知識の引き算
多くの情報を得ることが自分を賢くしてくれると信じ、毎日ニュースや本、ネットの記事をひたすら読み続けていました。しかし、その情報が頭の中に溜まりすぎて、どれを重要視すれば良いのか分からなくなってしまいました。
そこで、情報の取捨選択を行うことにしました。必要な知識だけにフォーカスし、他の情報は無視するようにすると、頭がスッキリし、逆に行動に移すスピードが上がったのです。
TIPS: 情報収集は最小限にし、自分にとって本当に役立つ情報だけに集中する。
仕事量の足し算 vs 仕事の引き算
かつては「多くの仕事を抱えること」が自分の価値を高めていると信じ、あらゆるタスクを引き受けていました。結果、オーバーワークになり、体も心も疲れ切っていました。
そこで重要な仕事に絞り、他の仕事は手放す決断をしました。その結果、重要な仕事に集中できるようになり、成果も上がりました。そして、何よりも自分自身の体調が改善され、心の余裕が生まれたのです。
TIPS: 本当に重要な仕事に集中し、無駄なタスクを手放す。
食事の足し算 vs 食事の引き算
健康のためにと、栄養を得ようとたくさん食べている時期がありましたが、逆に体調が不安定になりがちでした。次第に、何を食べれば良いのか迷うようになり、食事そのものがストレスに感じることもありました。
そこで、シンプルな食事に戻すことにしました。基本的な栄養素にだけ集中し、バランスの取れた食事を心がけることで、体調が安定し、食事が楽しめるようになりました。食材やサプリメントにこだわりすぎすぎず、シンプルで栄養バランスの取れた食事を心がけることで、ストレスなく食事を楽しむことができました。量より質、そして「食べること自体を楽しむ」ことを意識するようになり、体も心も安定感を取り戻したのです。
TIPS: 栄養素にこだわりすぎず、食事をシンプルにして、その時間を楽しむ。
出費の足し算 vs 支出の引き算
出費は無意識のうちに増え続けていました。特に趣味や生活に関する出費が積み重なり、気づけば家計に余裕がなくなっていた時期がありました。しかし、ある日冷静に自分の支出を見直すと、思っていた以上に無駄な出費が多いことに気づきました。
その後、生活に必要な最低限の支出に絞り、余計な買い物を控えるようにしました。結果、家計に余裕ができ、心にも安心感が生まれました。出費を減らすことで、貯金や将来の家族のための資金を増やすこともでき、家族の幸福感も増したように感じています。
TIPS: 毎月の支出を記録し、無駄遣いを見つけて削減する。
デジタルコミュニケーションの足し算 vs オフライン時間の引き算
SNSやメッセージアプリでのやり取りが増えすぎて、常にスマホをチェックする生活を送っていました。何度も通知を確認し、レスポンスに追われるうちに、気づけばスマホ依存になっていたのです。
そこで、「オフラインの時間を大切にする」という引き算を実践しました。週末は意図的にスマホをオフにし、家族との時間を優先するようにしました。すると、デジタル疲れが解消され、心に余裕が生まれるようになりました。家族との深いコミュニケーションが増え、絆も強まりました。
TIPS: 通知を極力オフにして、家族との時間を大切にする。
趣味の足し算 vs 家族との時間の引き算
私は特に大きな趣味を持っていませんが、つい何か新しいことを始めようとあれこれ手を出していました。しかし、どれも中途半端で楽しめず、むしろ時間を無駄にしている気がしていました。
そこで、自分の優先順位を再確認しました。趣味に時間を使うよりも、家族との時間に集中することに決めたのです。趣味を持つことも大切ですが、私にとって家族との時間こそが最大の喜びであり、生活の中心です。趣味にこだわらなくなったことで、家族と過ごす時間が増え、家族との絆が深まりました。
TIPS: 趣味よりも家族との時間を優先し、深い関係を築く。
マルチタスクの足し算 vs シングルタスクの引き算
以前は、同時に多くのことをこなすことが効率的だと思い込んでいました。マルチタスクを推進し、仕事でもプライベートでも一度に複数のことをやろうとしましたが、結果的にどれも中途半端に終わり、達成感が得られないことが多くありました。
その後、一つのタスクに集中する「シングルタスク」の考え方を取り入れました。やるべきことを一つ一つ確実に終わらせることで、仕事の質も向上し、達成感が大幅に増しました。また、集中して取り組むことで余計なストレスが減り、時間にも余裕が生まれました。
TIPS: マルチタスクを避け、1つのことに集中する時間を作る。
自己改善の足し算 vs 自己受容の引き算
自己改善を常に追い求め、自分に厳しくしていた時期がありました。新しいスキルや資格を次々に取得しようとしましたが、結果的にどれも中途半端で、自己評価が下がることがありました。
そこで気づいたのは、「自己改善よりも、まずは自分をそのまま受け入れることが大切だ」ということです。自分の欠点や弱さを認め、無理に完璧を追求するのではなく、自分らしくいることに重点を置くことで、ストレスが軽減され、心のバランスが整いました。
TIPS: 自分の弱さや欠点を受け入れ、無理に自己改善を追い求めない。
休息の足し算 vs シンプルな休息の引き算
昔は、休むことが「怠けている」と感じ、できるだけ休息の時間を減らしていました。毎日忙しく、スケジュールを詰め込みすぎた結果、体も心も疲れ切ってしまったことがあります。
しかし、シンプルに「休むこと」を重視するようにしてから、体調も精神的な安定感も劇的に改善しました。休息はただの「休む時間」ではなく、次のステップへの準備時間です。シンプルに体を休め、リフレッシュすることで、後の作業効率が格段に上がり、心にも余裕が生まれました。
TIPS: 休息を怠らず、定期的にリフレッシュする時間を確保する。
まとめ
「足し算の人生」を生きることが必ずしも幸福につながるわけではないということを、私は身をもって実感しました。むしろ、余計なものを引き算してシンプルに生きることで、心に余裕が生まれ、家族との時間や自分自身を大切にすることができるようになりました。
読者の皆さんも、もし人生が忙しすぎたり、何かが多すぎて疲れていると感じるなら、一度「引き算の人生」を試してみてください。少しずつ不要なものを手放すことで、本当に大切なものが見えてくるはずです。