自民党総裁選2025:高市早苗氏の政策と生活・資産への影響

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2025年秋、自民党は9月22日に総裁選を告示し、このあと10月4日に投開票を行う予定です。石破茂総裁(首相)の退陣表明を受け、新総裁はそのまま首相となる見込みで、物価高や外交課題への対応が急務となっています。今回はとりわけ高市早苗氏の政策に注目が集まっています。サラリーマンで子育て世代、かつ個人投資家としては、物価高・株価・子育て支援・安全保障など生活や資産運用への影響が気がかりです。以下、高市氏の主張とそれによる影響を中心に、他候補との比較や総裁選の展開を探ります。

目次

高市早苗氏の主な政策(経済・子育て・安全保障)

高市氏は「生活の安全保障」を第一の柱とし、物価高・暮らし守る政策を掲げます。具体策として、ガソリン・軽油の暫定税率廃止年収「壁」の引き上げを訴え、これにより世帯の税負担を軽減するとしています。また、地方財源を確保するため自治体向け交付金の拡充や、低・中所得層の社会保険料軽減(給付付き税額控除の制度設計着手)も提案。これらは、政府負債を増やしてでも現金給付や減税で速効性を出そうというスタンスです。

第2に経済安全保障・成長戦略を重視し、対日外国投資審査委員会の新設や、AI・半導体・宇宙開発・核融合など先端技術分野への官民投資を公約としています。まさに半導体や量子コンピュータ、宇宙関連、核融合研究などに重点的な投資を行う計画で、関連企業の成長を促進する狙いです。

一方、子育て支援については高市氏自身から新制度の詳細発言はほとんどありません。ただし、上述の所得税優遇(年収壁の引き上げ)や給付税額控除は、共働き世帯などで手取り増を図るもので、働く女性支援の一環ともいえます。また、女性の健康問題(更年期障害へのサポート)にも言及しており、女性が長く働き続けられる環境整備を訴えています。

安全保障面では極めて強硬な路線を取ります。原子力発電の早期稼働および次世代革新炉・核融合炉の開発を掲げ、エネルギー自給率向上を目指すとしています。同時に、新たに国家情報局を設置しスパイ防止法を制定するなど情報・防衛体制を強化する方針も示しました。つまり、核エネルギーによる脱化石燃料化と、軍事情報体制の両輪で「強い国」を作ろうとしています。

  • 経済・暮らし支援: ガソリン税の暫定税率廃止、年収壁引き上げ、自治体交付金拡充、低所得者の給付税額控除検討などで家計を支える。国債増発も辞さない姿勢です。
  • 経済安全保障・成長: 外国投資審査委員会設置、AI・半導体・宇宙・核融合など先端分野への大胆投資を打ち出す。
  • 子育て支援: 明確な新策は示されていないが、働く女性への配慮(年収壁対策、健康サポート)で共働き世帯の就労継続を後押し。
  • 安全保障・外交: 原発再稼働と革新炉・核融合で脱炭素かつ安定電源を確保し、国家情報局や防衛政策で国防力増強を目指す。

株価・経済への影響

高市氏の政策は財政拡張路線であるため、市場では円安・株高の思惑が広がっています。実際、9月8日の東京市場では高市氏の積極財政構想を受けてドル/円が一時1円以上上昇、日経平均株価は一時800円近く上昇しました。これは「高市トレード」と呼ばれ、投資家が財政拡大・金融緩和継続を先取りしている動きです。複数のアナリストも、高市氏が勝利すれば円安が進むと予想し、輸出関連株などに追い風になると見ています。一方で、円安によって輸入物価が上昇する恐れもあり、食料・エネルギー価格の一層の上昇は家計圧迫要因になります。

業種別には、高市氏が力を入れる先端技術・安全保障関連分野が注目されます。実際、高市氏の公約(AI・半導体・宇宙・核融合など先端分野への投資)に関連して、三菱電機(6503)や日立製作所(6501)など核融合・省エネ技術、東京エレクトロン(8035)やSCREENホールディングス(7735)など半導体関連、NEC(6701)、IHI(7013)など宇宙・防衛関連が「高市銘柄」と称されて物色されています。

仮に新政権でこれら分野への公的投資が本格化すれば、該当企業の業績向上期待から株価上昇が見込まれます。ただし、逆に金融緩和長期化への懸念からJGB(国債)が売られ、長期金利は上昇しています。国債発行増大による財政懸念から、超長期債が売られて利回り上昇となっており、債券市場には注意が必要です。

子育て支援と教育政策の見通し

子育て支援政策では、岸田政権下で児童手当の抜本拡充(所得制限撤廃・支給期間を高校生まで延長、3人目以降は手当増額など)が進められました。これにより0~3歳月額1万5千円、3歳以上は1万円の手当が全世帯に給付されています。高市氏自身は、総裁選でこれらの制度をさらに拡大する具体案は打ち出していません。したがって既存の拡充策を継承する可能性が高いと見られます。彼女は「働く意欲を阻害しない制度」に言及しており、所得控除や給付付き税額控除で手取り増を図る方針です。また、少子化対策や教育関連では明言が少ないため、教育費無償化や保育所整備など大規模改革は当面期待薄と考えられます。むしろ地方への交付金増額により、自治体ごとに保育・教育サービスを強化する動きが加速するかもしれません。

生活者の視点では、仮に高市氏が総裁・首相になれば、物価対策重視で手当てが出やすくなる一方、財源として将来的な消費税議論も取り沙汰されます。また、子育て支援では「年収の壁」対策で共働き家庭の収入が増えれば世帯手取りが増えますが、保育・教育現場の体制強化など構造的支援は後回しになる懸念もあります。今後の総裁選討論では、これら育児・教育分野への具体策もチェックポイントです。

安全保障の方向性と生活への影響

高市氏は安全保障政策でも超強硬です。まずエネルギー安全保障として「安全確保を前提とした原発稼働」を掲げ、2030年代には核融合を含めエネルギー自給率100%を目指すと宣言しています。実現すれば電力コストの低減や化石燃料依存からの脱却につながりますが、原発再稼働に伴う安全対策費や廃炉コスト、地元同意の課題も生じます。一方で、省エネ・再エネ企業(空調機器のダイキンや省エネ電源関連など)は政策メリットを受ける可能性があります。食料安全保障では、農地全活用や高級農産物輸出拡大などを打ち出しており、農業や食料関連株(JAグループ、肥料、食品加工など)にも注目が高まるでしょう。

防衛面では国家情報局の新設と防諜法制定を掲げ、中国や北朝鮮対策を強化する構えです。憲法改正への言及は明示していませんが、「ジャパン・イズ・バック」のスローガンからも国内外に日本の抑止力強化をアピールしています。一方で、これら安全保障強化策は財源を防衛費に振り向けることにもなり、他の予算(例えば福祉や教育)とのトレードオフになる可能性があります。また、外国人(不法滞在者や土地取得)規制強化策が日常生活に影響を与えることも考えられます。強い国づくりの方向性は、国民の安全意識には資するものの、徴兵制の議論などには慎重な声も根強く、国民感情への配慮が求められます。

総裁選スケジュールと支持勢力

党則に基づき総裁選は党員投票・国会議員投票の両方で行われます。高市氏は9月19日に立候補を表明し、9月22日に届け出が済みました。投票日は10月4日、党員・党友(郵送)票と国会議員票の合計で新総裁が決まります。選挙戦は全国を回って演説会が繰り広げられており、大阪・東京などで政策討論会も行われました。

高市氏は党内で大きな派閥支持はないものの、多くの議員の推薦を集めています。推薦人代表には古屋圭司氏が名を連ね、松島みどり氏は「勤め人の共働き家庭に育った」高市氏の情熱と勤勉さを評価して支援を表明しています。安藤高夫氏、片山さつき氏ら有力議員の推薦人も並び、地方支部や女性局からの支持も取り付けつつあります。党員票では、街頭演説やソーシャルメディアでの発信力も重要で、各候補は最後まで票固めに奔走しています。

自民党総裁選(2025年10月)候補者比較

候補者所属派閥・推薦人代表(推)経済政策子育て支援・教育政策安全保障政策その他・スローガン・特徴
小林 鷹之無派閥(所属派閥なし)
推薦人代表:浜田靖一
経済政策: 中道路線の保守主義を掲げ、「既存制度を壊さない改革」を強調。幅広い世代支援や産業振興を主張。賃上げ・所得税減税など具体策は表明していない。子育て・教育: 明確な公約なし(強調発言なし)。人材育成を重視する姿勢は表明。安全保障: 現行憲法下で日米同盟・防衛力強化を重視する立場。憲法改正では自衛隊明記などを唱える。その他: 世代交代・派閥打破を訴え、旧来型の派閥人事撤廃や企業献金規制強化を公約。スローガンは「Moderate conservatism(穏健保守)」。
茂木 敏充竹下派(平成研究会)
推薦人代表:新藤義孝
経済政策: 大規模経済対策と賃上げ重視を公約。就任後2年で「賃上げが物価上昇を上回る」ことを目指し、数兆円規模の財政出動や企業への投資喚起で所得増加を図る。地方創生のため企業投資も促進。子育て・教育: 扶育・教育政策は公表内容少ないが、総じて現行政策の充実を志向。働き方改革・人材育成など幅広い取組みを強調。安全保障: 「憲法改正は党是」として自衛隊明記に強い意欲を示す。北朝鮮・中国等の脅威に日米同盟強化と防衛力増強で対抗する立場。その他: 「結果を出す」をスローガンに、党再生・政権安定を掲げる。候補者連立案として自ら小泉氏・小林氏を含む“ベストチーム”構想を提示した。経験豊富な党内人材の起用を訴える。
林 芳正宏池会(岸田派)
推薦人代表:田村憲久
経済政策: 賃上げを重視し、物価上昇を上回る実質賃金伸長を目指す方針。消費税減税には慎重で、経済再生を長期的成長戦略で実現する意向。財政規律も尊重。子育て・教育: 教育再生や次世代育成を掲げ、働き方・子育て支援の拡充を訴える。派閥主導の「与野党協調」でこども政策立案も提唱。安全保障: 野党とも協力して憲法改正を進める立場。自民党の4つの改憲項目を軸に議論し、「自衛隊明記」等の成案形成を目指す。日米同盟強化・防衛力増強にも賛意。その他: 「経験と実績で未来を切り拓く」を標榜。参院自民党政策審議会議長等の経験生かし、協調的・現実的な政策決定を訴える。経済安全保障・行政改革にも精通。
高市 早苗無派閥(旧:小泉・安倍系派閥出身)
推薦人代表:古屋圭司
経済政策: 物価高対策として地方向け交付金拡充を提言。消費税減税は「実施まで時間がかかる」として後回しとし、税制と給付を組み合わせた給付付き税額控除の導入を主張。子育て・教育: 児童手当の拡充や幼児教育・保育の無償化、給付型奨学金拡充などを掲げ、家庭支援重視の保守的子育て政策を志向。自由な教育充実も訴える。安全保障: 戦後最も厳しい安全保障環境と認識し、憲法審査会を活性化して各党提案を討議する改革型改憲路線を主張。国防力強化と日米同盟重視を訴え、自主防衛能力向上に意欲。その他: 「日本列島を、強く豊かに」。経済安全保障担当大臣など経験から「成長と安全を両立する改革」を強調。自民党再生と女性リーダー誕生を訴え、勤勉な政治家像をアピール。
小泉 進次郎無派閥(「チーム11」)
推薦人代表:加藤勝信
経済政策: 即応的な補正予算編成で家計支援を図りつつ、賃上げ重視で実質賃金1%以上の上昇を目指す方針。所得税の基礎控除引上げ検討やガソリン税暫定税率廃止に向け協議加速など、減税要望にも配慮する。子育て・教育: 児童手当拡充、奨学金無利子化、幼児教育・保育の無償化などを訴え、社会保障・教育の充実で少子化対策を強化する姿勢。安全保障: 憲法改正は党外協力で進める必要があるとし、改憲勢力との超党派協力を強調。日米同盟重視・防衛費増額も主張。北朝鮮・中国への対応に自衛隊・同盟強化を掲げる。その他: 「立て直す。国民の声とともに」がキャッチフレーズ。前回総裁選から一年で農水大臣就任など実績を強調し、党改革・世代交代を訴える。若手中心の「チーム」を組んで党風刷新を図る。

(体験談)子育て世代サラリーマンの視点

30代、共働きのサラリーマンで小学生の子どもがいるAさん(仮名)のケースを考えてみます。日々の収支は、昇給が物価上昇に追いつかず厳しくなっています。株式投資も始めたAさんは、総裁選の行方が資産運用に直結することに気を揉んでいます。高市氏の勝利なら円安・株高が見込まれるものの、一方で電気代や食費の上昇も心配です。特に子育て費用への不安は大きく、過去に岸田政権が拡大した児童手当が維持されるのか、新たに増えるのかに関心があります。

また、Aさんは育児休業中の妻のことも考え、働きやすさを重視しています。高市氏が提案する「年収の壁」の引き上げは、妻の就業機会を増やす可能性があり期待しています。反面、教育環境への不安も拭えません。「子どもを安心して育てられる環境か?」という視点からは、財源不足で教育・福祉予算が削られないかが心配です。安全保障面では、幼い子どもの将来に不安を覚える一方で、強い防衛政策で国土が守られるなら安心とも感じています。

このように、サラリーマン投資家で子育て中の立場からは、総裁選の結果が為替・株式・物価に与える影響に敏感です。同時に、教育・子育て支援にどこまで手厚いかも重要です。高市氏の政策は「力強い経済基盤と安全な生活」を訴えていますが、Aさん世代としては「手元の家計への直接支援」と「将来への安全保障」を両立してほしいという思いがあります。今後の論戦を見守りつつ、投票日には家庭の声を託せる候補者を選びたいと考えています。

あいひー
サイト管理人
1987年生まれ。IT企業の管理職として働きながら、二人の父として子育て中。「時間」「健康」「お金」を効率よく管理し、人生の幸福度を高める方法を追求中。ブログでは、忙しい日々を「もっと楽に、楽しく」過ごすためのヒントや効率化のテクニックを発信しています。

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