株式投資は「確実な正解」がない世界ですが、
それでも自分なりの軸を持って銘柄を選べると、だいぶ心がラクになります。
この記事では、
- 日本製鉄(5401)
- 東京製綱(5981)
- 三光合成(7888)
といったシクリカル寄りのバリュー株をすでに保有している僕が、
「この3社よりも値上がり率で上回る可能性がありそう」と思っている候補として、
**JX金属ホールディングス(5016)**を徹底分析してみました。
あくまで一人の普通のサラリーマン投資家のメモですが、
同じようにコツコツ資産形成を目指している方の参考になればうれしいです。
1. まず最初に:投資判断は必ずご自身で
最初に大事な前提だけ。
- 本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません
- 僕自身の勉強メモ・思考整理をそのまま公開しているだけです
- 実際の売買は、ご自身のリスク許容度・家計状況・投資方針に合わせて判断してください
「この銘柄が絶対上がる」「1年で2倍確実」みたいな話は一切できません。
ただし、
「なぜこの銘柄に伸びしろを感じたのか?」
「自分ならどこまでリスクを取るか?」
を丁寧に言語化しておくことは、
将来の振り返りにも、家族を守るための判断軸づくりにも役立つと感じています。
2. JX金属(5016)ってどんな会社?
JX金属は、もともとENEOSグループの非鉄金属事業が独立・上場した会社で、
銅やレアメタルなどの資源から、半導体・情報通信向けの高機能材料まで扱うメーカーです。
公式情報をざっくりまとめると、こんなビジネスモデルです。
- 鉱山権益の確保・資源開発
- 銅を中心とした製錬・精錬
- 半導体向けスパッタリングターゲット(チップ製造に使う材料)
- 薄膜材料、銅箔、ニッケル粉末などの情報通信・電子部品向け素材
- 廃電子機器からのリサイクル(金・銅・レアメタル回収)
つまり、
「資源系のバリュー株でありながら、
半導体・AI・情報通信という成長テーマにも足をかけている会社」
というのが、僕の理解です。
3. 直近決算で何が起きているのか?
2025年11月11日の決算発表(2026年3月期 第2四半期)で、
JX金属は通期業績予想を上方修正しています。
数字をざっくり整理すると:
- 売上高:3,964億円(前年同期比+17.6%)
- 営業利益:700億円(同+2.8%)
- 最終利益:429億円(同+16.9%増)
- 通期最終利益予想:
- 700億円 → 790億円へ上方修正(前期682億円 → 今期+15.7%増益見通し)
- 年間配当予想:18円 → 21円へ増配
売上の伸びを支えているのは、
- AI関連需要の拡大
- 半導体・情報通信材料の好調
などで、まさに今の時代らしい成長ドライバーです。
一方で、
- 直近四半期(7–9月)の売上営業利益率は
→ 26.4% → 19.7%へ低下しており、
収益性の面では改善余地もまだあることが分かります。
ここがポイントで、
「絶好調ですべて織り込み済み」ではなく、
「成長しつつも、まだ“荒削り”な部分が残っている」
というのが、僕にとっては**“伸びしろ”に見える部分**です。
4. 長期戦略:銅の減産と「半導体材料シフト」
もうひとつ、JX金属が面白いと感じたニュースがあります。
ロイターの記事によると、同社は
銅製錬の生産能力を縮小しつつ、半導体材料などの事業にシフトしていく方針を示しています。
ざっくりいうと、
- 世界的な銅精鉱不足やマージン悪化を受けて、
電解銅の生産を数万トン規模で減らす計画 - その代わりに、
レアメタルや半導体向け材料事業への投資を強化 - 2040年までに営業利益を現在の2倍超(2,500億円)にする長期目標を掲げている
という内容です。
ここから見えるのは、
「単なる資源株」から
「高付加価値な半導体・電子材料メーカー」へ
ビジネスモデルを変えようとしている途中段階
というストーリーです。
こういう**“構造転換中のバリュー株”**は、
うまくハマると市場から再評価されやすい一方で、
戦略が失敗すると長く株価が低迷するリスクもあります。
5. 東京製綱・日本製鉄・三光合成と比べてどうなのか?
僕がすでに保有している3銘柄と、JX金属をざっくり比較するとこんなイメージです。
| 銘柄 | メイン事業 | 足元の業績トレンド | テーマ性 | 僕の印象 |
|---|---|---|---|---|
| 日本製鉄 | 高炉・鋼材 | 直近は赤字・構造課題重い | インフラ・建設 | 応援銘柄寄り。上ブレより下ブレリスクが目立つ |
| 東京製綱 | ワイヤロープ | 上期営業利益+21%、純利益+37.9%、自社株買いあり | インフラ需要 | じわじわ評価される堅実バリュー |
| 三光合成 | 自動車向け樹脂部品など | 増収増益基調(自動車分野好調) | 自動車サイクル | 1.3〜1.5倍なら現実的な伸びしろ |
| JX金属 | 非鉄金属+半導体材料 | 売上+17.6%、最終利益+16.9%、通期上方修正 | AI・半導体・データセンター+資源 | “バリュー × 成長テーマ” のハイブリッド銘柄 |
僕がJX金属に「伸びしろ」を感じた理由
- 業績がすでに「上方修正」済みで、増益率もそこそこ高い
- にもかかわらず、まだPBR的には割安〜妥当水準にとどまっているとの評価もある
- 資源株でありながら、AI・半導体・情報通信という成長テーマも持っている
- 完全に“仕上がった優等生”ではなく、マージン改善などの余地が残っている
日本製鉄のように「大きな構造課題」を抱えているわけでもなく、
東京製綱・三光合成のような「堅実バリュー」よりも、
**上方向のサプライズが出やすい位置にいるのでは?**と感じました。
6. 僕なりの「値上がり率シナリオ」のイメージ
ここからは完全に僕の個人的なシミュレーションです。
「こんな風にパターン分けして考えているよ」という
思考プロセスの共有として読んでください。
期間ごとのざっくりイメージ
| 期間 | 保守的シナリオ | ベースシナリオ | 強気シナリオ |
|---|---|---|---|
| 3か月後 | +5〜+20% | +10〜+25% | +20〜+35% |
| 6か月後 | +15〜+40% | +25〜+50% | +40〜+70% |
| 1年後 | +30〜+60% | +40〜+80% | +60〜+120% |
※これらは**確率や目標値ではなく、「レンジ感のおおまかなイメージ」**です。
シナリオ別の前提
- 保守的シナリオ
- 資源価格は横ばい〜やや弱め
- AI・半導体需要は伸びるが、過度な期待は剥げる
- 業績は計画通り〜やや下振れ
- ベースシナリオ
- 資源・レアメタル価格は現在〜やや上昇
- AIサーバ・データセンター向け需要は市場予想通りに拡大
- 決算のたびに「まあ順調だね」と評価され、PBRが少しずつ切り上がる
- 強気シナリオ
- 銅・レアメタル価格が予想以上に上昇
- 半導体・AI向け事業が市場予想をはっきり上回る
- 長期の2040年ビジョン(営業利益2.5倍)への期待が一気に織り込まれる(Reuters)
僕の感覚としては、
「1年で+40〜+60%くらいまでの上昇」は
条件が揃えば十分あり得るレンジ
くらいのイメージで見ています。
“株価2倍”はもちろん夢がありますが、
そこは期待しすぎず、あくまでボーナスシナリオくらいにしておきたいところです。
7. どこで買って、どこで逃げるか?(マイルール)
生活効率化ブログとして大切にしているのは、
「投資でメンタルを削られすぎないこと」です。
そのために、僕は銘柄ごとにざっくりと、
- 買ってもいいゾーン
- 注意ゾーン
- 損切り・撤退ライン
を決めるようにしています。
買ってもいいかなと思うゾーン
- 現状の株価水準(1,700円前後)付近で、
1,600〜1,800円あたりは、
「少しずつ拾ってもいいかな」と感じるレンジです。
もう少し押してくれればラッキー、
上がってしまったら追いかけすぎない、
くらいのスタンスが自分には合っています。
注意ゾーン
- 2,000円を大きく超えて、明らかに短期で加熱している局面は、
僕なら「いったん様子見」か、「すでに持っていれば利確検討」を考えます。
損切りラインの考え方
これは人によって本当に違うと思いますが、
僕はシクリカル寄り・テーマ性もある銘柄については、
- 買値から−10〜−15%
- 最大でも**−20%まで**を許容ライン
とすることが多いです。
たとえば1,700円で買ったとして、
- −10%:1,530円付近
- −15%:1,445円付近
- −20%:1,360円付近
このあたりを一つの目安にしつつ、
「なぜ下がっているのか?」
業績・市況・材料のどこに問題があるのか?
を確認したうえで、
機械的にではなく理由を見て決めるようにしています。
8. 生活効率化の視点から見た、JX金属投資の位置付け
最後に、このブログらしく
「生活効率化 × 家計 × メンタル」の観点も少し。
① ポートフォリオ全体の中での“遊撃枠”にする
- コアはインデックス(S&P500など)
- その次に、日本の安定バリュー(東京製綱・三光合成など)
- そのうえで、「上ブレ狙いの少数精鋭枠」としてJX金属
という位置付けだと、
家計全体のリスクは上げすぎずに済むかなと感じています。
②「夢を見すぎない」ことも効率化
JX金属の長期ビジョン(2040年までに営業利益2倍超)を読むと、
どうしても夢が膨らみます。
ただ、そこで
- 「この銘柄で一気に資産を…!」と考え始めると、
途端にメンタルがしんどくなります。
あくまで、
「インデックス&堅実バリューの上に乗せる“アクセント”」
くらいにしておく方が、
日々の生活や子育てへの集中力も守られる気がします。
③ 将来の自分への「記録」として残しておく
この記事を書いた一番の目的は、
- 未来の自分がこの記事を読み返したときに、
「なぜJX金属を買おうと思ったのか」「何を期待していたのか」が分かること
です。
うまくいったときも、
いかなかったときも、
「あのときの自分はこう考えていたのか」
と振り返られる材料があると、
投資経験がちゃんと“学び”として積み上がると感じています。
まとめ|JX金属は「バリュー×成長テーマ」のハイブリッド銘柄
最後に、この記事のポイントを簡単にまとめます。
- JX金属(5016)は、
非鉄金属+半導体・情報通信材料のメーカーで、
銅製錬から高機能材料まで広く手がける企業 - 2026年3月期2Qで通期最終利益を上方修正&増配しており、
AI・半導体・情報通信向け需要が好調 - 一方で、銅の製錬能力は縮小しつつ、
半導体材料やレアメタル事業にシフトする長期戦略を進行中 - 日本製鉄・東京製綱・三光合成と比べると、
「構造課題の重さ」は小さく、
「成長テーマとしての伸びしろ」は大きいと感じる - 値上がり率の“イメージ”としては、
ベースシナリオで1年+40〜+60%程度の上ブレ余地はありそうだが、
もちろんノーギャランティ - ポートフォリオの中では、
**インデックス&堅実バリューの上に乗せる“上振れ狙い枠”**として扱うのが、
メンタル的にも家計的にもバランスが良さそう
僕自身も、
家族との時間・本業・ブログ・副業……と、
いろんなことを同時に回しながら投資をしています。
だからこそ、
「銘柄選びで消耗しすぎない」
「過度なリスクを取らず、でも少しは夢を見られる」
そんなポートフォリオを目指したいな、と思っています。
JX金属は、その中で
**「上振れが期待できる一手」**として
しばらくウォッチ&検討を続けていくつもりです。
この記事が、
あなた自身の投資判断やポートフォリオ設計のヒントになればうれしいです。

