株で勝てないのは当たり前?子育てサラリーマンのための効率的投資術

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忙しい子育てサラリーマンにとって、資産形成のための投資は魅力的でも日々の時間確保が難しいものです。「株式投資でなかなか勝てない…それは当たり前なのか?」と感じている方も多いでしょう。

本記事では、「株で勝てないのは当たり前」と言われる理由を紐解き、生活を効率化したい子育て世代に適した効率的な投資手法について解説します。

日本株市場の割安株(バリュー株)に関する最新情報や具体的な銘柄データも紹介し、無駄な時間をかけず賢く資産形成するポイントを見ていきましょう。

1. 「株で勝てないのは当たり前」の理由を解説

個別株投資が難しいのはなぜか? まず押さえておきたいのは、多くの個人投資家が株式投資で勝てていない現実です。よく「個人投資家の9割は損をしている」とさえ言われます​。

この数字の正確さはともかく、事実として個人が短期売買で相対するのは巨大な資金力・情報量を持つ機関投資家であり、圧倒的なハンデがあります​。

そのため、トータルで損失を出してしまう人が珍しくないのです。

さらに、SNSや周囲で目にするのは成功者の話ばかりで、負けて退場した人は表に出てきません。いわゆる「生存者バイアス」がかかっており、一部の成功体験だけを参考に「自分も短期で資金を何倍にもできるのでは?」と考えるのは非常に危険です​

運良く資金を数倍に増やす投資家もいますが、それには強靭なメンタルや判断力に加え相当の幸運も伴っています​

現実的には「個人投資家が株で勝つのは難しい」ことをまず理解することが大切です​。

では具体的に、投資初心者が個別株で勝てない典型的な理由を挙げてみましょう​:

  • 仕手株に飛びついてしまう – SNSや掲示板の煽り情報に乗せられ、急騰している仕手株に群がる(いわゆる「イナゴトレード」)ケースです。仕手筋に踊らされて高値掴みし、暴落で大損しかねません。
  • プロ相手に短期勝負する – 資金力・情報量で勝る機関投資家に対し、短期売買で真っ向から挑むケースです。まさに「軽自動車でF1マシンと競う」ような無謀な戦いで、分が悪いのは明らかです。
  • 損切りができず塩漬け – 含み損を抱えても決断できず、ずるずると持ち続けてしまい損失が拡大するケースです。ルールを決めて機械的に損切りできないと、致命傷を負うリスクがあります。
  • 「落ちているナイフ」を掴む – 急落中の銘柄を「安いから」と飛びつくケースです。下落の勢いが止まらずさらに損失が膨らむことも多く、十分な分析なしに値頃感だけで買うのは危険です。
  • 短期で儲けようとしすぎる – 一攫千金を狙い、過度なレバレッジや短期売買を繰り返して資産を増やそうとするケースです。手数料コストも嵩み、冷静さを欠いたギャンブル的な売買になりがちです。
  • 勘や感情に頼った投資 – 明確な根拠や戦略なく、「なんとなく上がりそう」など感覚だけで売買するケースです。思惑が外れれば大きな痛手を負う可能性が高いでしょう。

以上のような理由から、投資初心者が個別株で継続的に勝つのは非常にハードルが高いと言えます。特に「割安だと思う株を買えば儲かるはず」と安易に考えるのも危険です。確かに理論上は、PERやPBRなどの指標から見て割安な銘柄はいずれ適正な価格に修正される(値上がりが期待できる)ものです。しかし現実には、いつまでも株価が低迷したまま放置される「バリュー・トラップ(割安のわな)」に陥るリスクもあります​。

経営に深刻な問題があったり成長性が乏しかったりすると、市場に見向きもされず割安なままということも十分あり得るのです。

投資初心者にとって個別株で勝つハードルは高く、「勝てないのが当たり前」とさえ言われる背景には以上のような要因があります。

それでは、忙しい子育てサラリーマンが無理なく資産形成するにはどんな方法があるのでしょうか?次章で、生活を効率化するための賢い投資術を見ていきます。

2. 生活を効率化するための投資術とは?

子育てサラリーマンにとっての投資の現実は、自由に使える時間が限られることです。仕事と育児に追われる中、株式投資の勉強や個別銘柄の売買タイミングを常に計るのは簡単ではありません。​

子育てで忙しい中で投資の勉強や売買を行うのは大変です​。

加えて、「せっかく貯めた家族のお金を減らしてしまったらどうしよう…」という不安もあり、腰が重い方も多いでしょう。

そこでおすすめしたいのが、「手間をかけずリスク分散できる投資」です。具体的にはインデックス投資(インデックスファンドへの長期投資)が子育て世代には有力な選択肢になります。インデックス型の投資信託であれば手間をかけずにリスクを分散しながら資産運用したい人に最適です​。

市場全体の動きに連動するよう専門家が運用してくれるため、個別株のように自分で頻繁に情報収集・分析をする必要がありません​。

​言い換えれば、インデックス投資は**「無駄な情報収集をしない投資」**を実現できます。

例えば、日本株や米国株など代表的な株価指数に連動するインデックスファンドを毎月コツコツ買い付ける方法なら、日々の株価チェックや売買判断に追われることもなく、プロに運用を任せつつ市場全体の成長を取り込めます​。

実際、インデックスファンドはアナリストやエコノミストによる個別企業の綿密な調査・分析が不要な分、運用コストも低く抑えられており効率的です​。

少額から購入できる商品が多く、積立設定をしてしまえば後はほったらかしで運用できる手軽さも魅力です。

インデックス投資のメリットは他にもあります。長期的な視点に立てば、市場全体に幅広く投資することで安定した資産成長が期待できます。歴史的に見ても、株式市場は長期では右肩上がりの成長を遂げてきました。例えば日本株式(TOPIX)は約75年間で年率平均約7%のリターンを記録し、米国株式(S&P500)も過去20年間で年率約8%の成長を遂げています​。

もちろん年ごとの変動はありますが、時間を味方につけて複利効果を享受することで、着実に資産を増やすことが可能です。

加えて、プロが運用するアクティブファンドの多くが市場平均(インデックス)に勝てないというデータもあります。​

「アクティブファンドの大多数がインデックスに勝てない」というのは資産運用業界にとって公然の事実です​。

つまりプロでさえ指数以上の成績を出すのは難しいのですから、忙しい個人投資家が無理に個別株で市場を上回ろうとする必要はありません。インデックスファンドを中心に市場平均のリターンを狙うだけでも、十分に合理的で効率的な投資と言えるでしょう。

以上の理由から、子育てサラリーマンが生活を効率化しつつ資産形成するには、**インデックス投資を主体とした「ほったらかし投資」**が最適解となります。例えば、毎月一定額を NISAでの積み立て などでインデックスファンドに積み立てていけば、長期の資産成長とリスク分散を図りつつ、日々の育児や仕事に専念できます。余計な情報収集や短期売買に振り回されることもなく、時間と資産を効率よく活用できるのです。

3. 日本の割安株に関する最新情報:PBR1倍割れ問題と直近の注目5銘柄

ここまでインデックス投資の有用性を述べましたが、もし個別株に取り組む場合は**「割安株(バリュー株)投資」**に興味を持つ方もいるでしょう。日本市場では昨今、PBR1倍割れ(株価純資産倍率が1.0を下回る)銘柄の多さが大きな話題となっています。

PBR1倍割れ問題とは何か? 簡単に言えば、「解散価値(簿価)以下」で放置されている日本企業が非常に多いということです。東京証券取引所もこの状況を重視し、2023年にPBRが1倍未満の上場企業に対して株価・資本効率改善策の開示を求める異例の要請を行いました​。

対象は東証プライム・スタンダード市場の約3300社中、PBR1倍割れの約1800社(過半数)にも上ります​。PBRが1倍を下回るということは、「会社を畳んで資産を清算した方が株主にとって得」という状態を指し、市場からは「あなたの会社には存在価値がない」というメッセージでもあります​。実際、2022年7月時点ではTOPIX500構成銘柄のうち43%がPBR1倍割れだったのに対し、米国S&P500ではわずか5%に過ぎません​

日本企業に割安放置されているケースがいかに多いかが分かります(欧州でも約24%​)

この問題の背景には、日本企業の自己資本利益率(ROE)の低さや資本の有効活用不足などが指摘されています。「資本を眠らせたまま収益力が低いから解散価値以下に評価される。それがPBR1倍割れだ」と言われるほどで、株主から見れば**「資本効率が悪い!」**と批判されても仕方のない状況です​。

東証の要請も、企業経営者に株価や資本コストを意識させ、ROE向上や継続的な株主還元を促す狙いがあります。

実際この要請以降、日本企業にも変化の兆しが見られます。東証からの通知から1年が経過した2024年3月期の決算シーズンでは、大規模な自社株買いや増配策を打ち出す企業が相次ぎ、株価水準を切り上げる動きが目立ちました​。

業績が伸び悩んでも株主還元を拡充して評価を高めようとする企業も出てきています。また、市場では**「高配当利回り&低PBR」の銘柄**に熱い視線が注がれており、潤沢な余剰資金を抱え割安なままの企業には「さらなる還元策が出るのでは」と期待した買いも集まりやすくなっています​

言い換えれば、割安株に対する是正圧力が高まっている状況です。

では、直近で「割安」とされ注目を集める日本株にはどんなものがあるでしょうか。以下に、PBRが1倍を下回りつつ業績や株主還元面で評価余地があるとされる5銘柄を紹介します(※PBRと配当利回りは2025年3月時点のデータです)

  • 大平洋金属(5541) – PBR約0.55倍、配当利回り7.17% 。​ニッケル製錬を主力とする大手金属メーカーで、ステンレス鋼の原料となるフェロニッケルの生産を行っています。​近年のニッケル価格の上昇や需要増加を背景に、業績が堅調に推移しています。
  • 極東証券(8706) – PBR約0.96倍、配当利回り7.08% 。​中堅証券会社として、個人投資家向けのサービスを展開しています。​市場環境の変化に対応しつつ、安定した収益を確保しています。​
  • Smile Holdings(7084) – PBR約0.74倍、配当利回り6.34% 。​人材派遣やアウトソーシング事業を展開しており、多様な業種へのサービス提供で安定した業績を維持しています。
  • 極東開発工業(7226) – PBR約0.84倍、配当利回り6.33% 。​特装車(コンクリートポンプ車やタンクローリー等)メーカーで、業績は回復基調にあります。​豊富な受注残を抱え、業績上振れ時には追加の株主還元も期待されています。
  • 新家工業(7305) – PBR約0.75倍、配当利回り6.28% 。​鋼管や建材の製造を手掛けるメーカーで、建設需要の増加に伴い、安定した業績を上げています。

これら5銘柄はいずれもPBRが1倍を下回る割安状態にありつつ、安定した収益や積極的な株主還元策を持っています。まさに「放置された割安株」から「見直されるバリュー株」への転換が期待される銘柄と言えるでしょう。ただし、個別株である以上それぞれ業績や市場環境に固有のリスクがあります。割安と判断されてもすぐに株価が上昇するとは限らず、前述のようにバリュートラップに陥る可能性もゼロではありません。

割安株投資のポイントは、中長期的な視点で業績改善や株主還元策の実行を見守る「腰の据わった投資」ができるかどうかです。短期の値動きに一喜一憂せず、配当を受け取りながら気長に待てるのであればリターンを享受できる可能性があります。一方、私たちのような忙しい子育て世代が個別株すべてをフォローするのは大変ですから、インデックス投資を主軸にしつつ余裕資金の一部でこれらバリュー株に分散投資する、といったハイブリッド戦略も選択肢でしょう。いずれにせよ個別銘柄に投資する際は情報収集とリスク管理が不可欠です。

4. 「生活を効率化する投資」のまとめ – 子育てサラリーマンに最適な実践法

最後に、本記事の内容を踏まえて子育てサラリーマンとして実践すべき投資スタンスをまとめます。

まず、時間効率とリスク管理の観点から最もおすすめできるのはインデックス投資による長期分散投資です。日々の細かな値動きに振り回されず、市場全体の成長を取り込むこの手法は、忙しい生活の中でも継続しやすいでしょう。毎月決まった日に決まった額を積み立てる設定にしてしまえば、あとは仕事や育児に集中している裏で資産形成が進みます。過去のデータが示すように、長期では市場平均でも年数%のリターンが期待できますし、大きな暴落局面でも時間をかけて回復してきた実績があります。​

多くのプロも市場平均に勝てないのが現実ですから、欲張らず「平均点を取りに行く」戦略が結局は効率的で堅実な資産の増やし方と言えるでしょう。

一方で、どうしても個別株にチャレンジしたい場合は、無理のない範囲で取り組むことが重要です。余裕資金の一部を充て、ポートフォリオの核はインデックスなど分散投資で固めておくのが安全策です。個別株投資に時間を割けない場合は、例えば高配当ETFやバリュー株ファンドなどプロが分散運用する商品を活用する手もあります。自分で銘柄選定やタイミングを判断する負担を減らしつつ、個別株投資の妙味を取り入れる形です。

もし直接個別株を買うのであれば、情報収集と管理を怠らないことが大前提です。決算短信や適時開示情報に目を通し、会社の業績や戦略を把握しましょう。とはいえ前述のとおり、子育てと仕事で忙しい中で常に最新の株式情報を追いかけるのは難しいものです。ですから、「この銘柄は放っておいても潰れないし配当も出るから気長に持てる」といった自分なりの安心感が持てる銘柄だけに絞るのも一策です。逆に少しでも不安要素がある場合は無理に手を出さない潔さも必要でしょう。

総じて、子育てサラリーマンが目指すべきは**「生活を犠牲にしない範囲で最大限効率よく増やす投資」**です。幸い現在はNISAなど個人投資家を後押しする制度も充実しており、小額からの長期分散投資がやりやすい環境です。まずは家計を圧迫しない範囲でインデックスファンド積立を始め、時間を味方につけて資産形成をスタートさせましょう。そして余裕が出てきたら、ごく一部を割安株や高配当株に充ててみる程度に留め、決して生活の本分を忘れるほどのめり込まないことです。

結論として、忙しい子育て世代にとって最適なのはインデックス投資を中心とした堅実な資産運用です。市場平均に沿ったリターンを得ながらリスクを分散し、日々の情報収集に追われるストレスから解放されます。個別株は時間と心に余裕がある時にアクセント程度に関わるくらいがちょうど良いでしょう。大切な家族との時間を確保しつつ、将来のための資産も着実に育てる——そんな効率的な投資術で、賢く生活とお金のバランスを取っていきましょう。​

あいひー
サイト管理人
1987年生まれ。IT企業の管理職として働きながら、二人の父として子育て中。「時間」「健康」「お金」を効率よく管理し、人生の幸福度を高める方法を追求中。ブログでは、忙しい日々を「もっと楽に、楽しく」過ごすためのヒントや効率化のテクニックを発信しています。

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