投資を始めたきっかけ:家計を支えるための小さな勇気
子育て真っ只中の30代サラリーマンである私は、家族を養う中で将来の教育費や住宅ローンに不安を感じていました。本業の収入だけでは心許なく、本業以外でも家計を支えたいという思いが強くなっていったのです。それでも投資は「難しそう」「損したらどうしよう」と不安が先立ち、なかなか一歩を踏み出せませんでした。
ぐうたらネコ収入源が一つだと不安になるよね
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そんな中、「貯金だけじゃなく効率よくお金を増やす方法」として投資が紹介されている記事を目にし、自分も挑戦してみたいと思いました。とはいえいきなり本格的に取り組むのは怖かったので、生活費を見直して捻出した少額の資金で人生初の株式投資に踏み出すことにしたのです。

JX金属株に少額チャレンジ
私が最近選んだ投資先は、今年新規上場したばかりのJX金属の株でした。ENEOSホールディングス系列の非鉄金属メーカーで、銅などの素材から半導体向けの先端材料、さらに使用済み金属のリサイクル事業まで幅広く手がけており、将来性があると感じたからです。ニュースで「大型IPO」「半導体関連」と話題になっていたため、比較的身近に感じられたのも理由の一つでした。
とはいえ私は、国内株のポートフォリオを一気に増やすつもりはありません。まずは数万円で買える範囲で、JX金属の株を100株だけ購入してみました。買った時の株価は約900円。毎度思いますが、「有名企業の株主になれた!」という嬉しさと同時に、「これから大丈夫かな…?」という不安でドキドキしたのを覚えています。
ナンピン買いで100株を買い増し、平均取得単価891円に
しかし、市場は甘くありません。私が買った後、JX金属の株価は残念ながら下落してしまいました。IPO直後の熱気が冷めたことや、市場全体の調整もあって、じわじわと値を下げる展開に。最初は含み損(評価損)が出たことにショックを受け、自分の読みを外しちゃったかなと思いました。
元々は中長期的に保有する前提で購入しているものの、購入直後の値動きはやはり気になってしまいます。
そこで私が選んだ行動がナンピン買いです。ナンピン買いとは、購入後に株価が下がった際に追加で買い増しし、平均購入単価を引き下げる手法を指します。下落局面で買い増すのは勇気が要りましたが、「長期的に見れば今は割安かもしれない。ここで手放したら損が確定してしまう」と自分に言い聞かせ、思い切ってもう100株を追加購入しました。
この買い増しにより、私のJX金属株の平均取得単価は891円となり、保有株数は合計200株に増えました。現在、含み損は約19,900円(評価額が購入額より約2万円低い状態)ですが、不思議と後悔はありません。下がった局面で買い増しできたことで、「資産形成のための第一歩を踏み出せた」という手応えさえ感じています。
JX金属の配当と事業内容:半導体素材とリサイクルの将来性
では、JX金属とはどんな会社なのでしょうか。前述の通りJX金属は銅を中心とした非鉄金属の大手企業で、半導体向け材料の分野では世界でも有数の存在です。また、自動車やスマートフォンに使われる機能性材料や、使用済み電子部品から金属を回収する金属リサイクル事業なども展開しています。身近な製品の裏側で活躍している会社だと知り、「応援したい」という気持ちも湧いてきました。
投資家として気になるのは配当です。JX金属は上場時に高配当と報じられましたが、上場前の特別配当を除くと今後の年間配当は1株あたり十数円程度と予想されています。現在の株価水準(800~900円前後)で計算すると配当利回りは1~2%程度と高くはありませんが、200株持っていれば年間数千円の配当金が期待できます。
何より、半導体やリサイクルといった社会に不可欠な分野で事業を営むJX金属の将来性には大いに期待しています。半導体需要は長期的に拡大が見込まれ、資源循環の重要性も高まるでしょう。そうした追い風が吹けば株価の回復や成長も十分あり得るはずです。配当を受け取りつつ気長に成長を見守りたいと考えています。
なぜナンピンを選んだのか:長期保有と学びの機会
振り返ると、下落局面でナンピン買いを決断した背景にはいくつかの理由がありました。主な理由を整理すると次の通りです。
- 長期保有を前提としていた: 最初から短期売買で利益を出そうとは考えておらず、腰を据えて長期保有すればいずれ株価が持ち直すと信じていました。時間を味方に資産形成するつもりだったので、多少の含み損は気にしなかったのです。
- 配当を積み重ねたい: 利回りは高くなくても、配当金は定期的に受け取れます。売らずに持ち続ければこの先も配当を得られ、将来子どもの学費の一部になればとの期待もありました。
- 経験から学びたかった: 最初の投資で下落に見舞われたのはショックでしたが、ここで投げ出さずに経験から学ぼうと考えました。ナンピン買いしたことで「なぜ株価が下がったのか」「これ以上の下落リスクは?」と企業分析や市場の勉強をするきっかけになったのです。
- 経験を発信したかった: この体験自体をブログ等で共有し、同じ子育て世代の参考になればとも思いました。自分の成功も失敗も包み隠さず発信したいという思いが、前向きな行動を後押ししてくれました。
投資で得られた気づき:広がる視野と効率化する思考
株式投資を始めてから数ヶ月、私自身にいくつかポジティブな変化が生まれました。まず、企業分析が意外と面白いという発見です。決算資料やニュースを読むのは最初退屈かと思っていましたが、自分が投資している会社の業績や戦略を知るのは意外なほど興味深く、情報収集する中で純粋に知的好奇心が刺激されます。「この新製品はヒットするかな?」「業界の追い風は?」と想像しながらデータを追う時間は、今ではちょっとした楽しみになりました。
さらに、世の中の動きに目を向けることで本業での視野も広がり、思考の面でも効率化が進んだと実感しています。普段の仕事では関わらない業界の動向にも触れるようになり、経済ニュースで得た知識が職場での会話のネタになったり、自社ビジネスを客観視するヒントになったりしました。また、限られた時間で情報を集めて投資判断を下すプロセスは時間管理と意思決定のトレーニングとなり、優先順位の付け方やリスクとリターンの考え方など、日常にも活きる思考習慣が身についたのです。投資のおかげでアンテナを張る範囲が広がり、結果として生活全体の効率化につながっていると感じます。
初心者目線で考える投資のメリット・デメリット
投資のプロでもない私ですが、感じている投資のメリット・デメリットを初心者目線で整理してみます。
メリット:
- お金がお金を生む: 銀行預金では増えないお金も、投資ではお金がお金を生むようになります。長期投資で配当を再投資すれば複利で雪だるま式に資産が増える可能性があり、時間を味方につけるほど有利です。
- 経済や企業について学べる: 投資を通じて、経済の仕組みや企業活動に関する知識が身につきます。楽しみながら金融リテラシーを高められるのは大きなメリットです。
- 将来への備え: 少額でも投資を続ければ、将来の教育資金や老後資金の備えになります。預金や保険だけに頼らず自分で資産を育てる経験は、大きな安心につながります。
デメリット:
- 元本割れのリスク: 株価次第で元本割れする恐れがあります。預金のような元本保証がない点は初心者には怖いところです。
- 精神的ストレス: 相場の変動に一喜一憂してストレスを感じることがあります。含み損を見て落ち込んだり、不安で眠れなくなることもあるでしょう。
- 時間と手間がかかる: 投資には情報収集や勉強など、それなりに時間と手間がかかります。忙しい子育て世代にとって、学習の時間を捻出するのは簡単ではありません。
あいひー期待値は現金保有より株式投資の方が高いと思うので、割り切りですかね
メリット・デメリット双方を踏まえ、無理のない範囲で取り組むことが大切だと感じています。まずは勉強代と思って少額から始め、経験を積みながらステップアップするのが良さそうです。
定期預金・投資信託・個別株の比較表:効率よく増やすには?
資産運用には様々な方法があります。私自身どの方法が良いか迷ったので、利回り、必要な知識、**手間(時間)**の観点で「定期預金」「投資信託」「個別株」を簡単に比較してみました。
| 運用手段 | 期待利回り | 必要な知識 | 手間・時間 |
|---|---|---|---|
| 定期預金 | 極めて低い(ほぼ0%) | ほぼ不要 | ほぼ不要 (預けるだけ) |
| 投資信託 | 中程度(年3~5%) | 一部必要 (商品の選択) | 少 (プロ任せ可能) |
| 個別株 | 高い可能性(変動大) | 多く必要 (企業分析等) | 多 (常に情報収集) |
定期預金は知識も手間も不要ですがリターンも極めて低く、個別株は大きなリターンが期待できる反面、高い知識と時間の投入が求められます。時間対効果の面では、安全に運用したいなら定期預金や投資信託、積極的にリターンを追求したいなら個別株、とライフスタイルに合わせて選ぶのが良いでしょう。
ちなみに私自身は、手間を省きたくて投資信託(インデックスファンド)にも少額ずつ積み立てつつ、勉強を兼ねて個別株にも挑戦しています。両方を併用し、自分なりにバランスを取っているところです。
投資は「生活効率化」の一環:時間・お金・好奇心を同時に育てる
実は私にとって、投資は生活効率化の一環でもあります。子育て世代にとって、時間もお金も常に不足しがちなリソースです。その中で投資を始めたのは、時間とお金と好奇心を同時に育てるためでもありました。
例えば、夜子どもが寝た後の30分をテレビを見る代わりに経済ニュースをチェックしたり、企業の決算書に目を通したりしています。この30分は確かに勉強の時間ですが、同時に将来の資産形成(お金)につながり、自分の知的興味(好奇心)も満たしてくれます。限られた時間を一石三鳥で活用できており、小さな充実感を得られています。
また、投資によって得た配当金や利益は、我が家の家計にとって貴重なプラスアルファです。生活を少し豊かにする原資にもなります。こうして少しずつでも時間とお金を有効に使い、自分の成長も感じられる投資活動は、まさに生活効率化の取り組みだと感じています。
おわりに:資産形成の第一歩を踏み出してみませんか?
勇気を出して小さな一歩を踏み出したことで、私は投資という新たな世界に飛び込みました。もちろんまだ勉強中で、含み損を抱えつつ試行錯誤の日々です。それでも行動したからこそ得られた学びがあり、家計や生活に前向きな変化が生まれています。
大切なのは、無理のない範囲で楽しみながら続けることだと感じます。資産形成は一朝一夕にはいきませんが、小さな積み重ねがやがて大きな成果につながると信じています。
あなたは、お金・時間・好奇心を育てるために、どんな第一歩を踏み出してみたいですか? ぜひ自分のペースで「生活効率化」につながるチャレンジを始めてみてください。その一歩が将来、あなたとご家族の大きな支えになることを願っています。


