夜、寝室でようやく一息つこうとしたそのとき、
長女が急いだ声で言いました。
「パパ、次女がピアノの隙間にシールを入れちゃった!」
半分眠気の残る頭を起こしながら、私はリビングへ向かいました。
そこには、真剣な顔をした娘と、静かにたたずむCASIO Privia PX-770。
白鍵の間に、小さなキラキラしたシールが挟まっていました。
「取れるはず」と思ったけど…
最初は「大したことない」と思っていました。
でも、いざ覗いてみると、意外と深い。
爪楊枝でも届かない。
私は紙の先に両面テープを貼り、
隙間に入れてペタッとくっつけようと試みました。
しかし——
力加減を間違えて、その両面テープごと中に落としてしまったのです。
その瞬間、背後から妻の声。
「余計に落としたじゃん…」
たしかにその通り。
でも、寝室から出てきて、なんとかしようとチャレンジしただけに、
その言葉がちょっと胸に刺さりました。
「改善しようとしたのに、責められるのか」
そんな気持ちが残りました。
家族それぞれの反応
次女は小さな声で「ごめんね…」を繰り返し、
長女は「私に何かできることない?」と懸命に考えていました。
私はというと、どうしても両面テープとシールを救出したい気持ちを抑えられず、
しばらく試行錯誤を続けてしまいました。
でも、ピアノの下の方に落ちてしまったようで、
どうにも取れません。
部屋の空気がなんとなく重くなり、
「もう今日はやめよう」と思って寝ることにしました。
心の中では、
「放置するのが一番効率的なのかもしれない」
そんな思いが少しずつ浮かんできました。
翌朝の冷静な判断
翌日、考えてみたら前日の夜にPX-770の電源を入れ、
ゆっくりと鍵盤を弾いてみたことを思い出しました。
結果、まったく問題なし。
鍵盤の動作も音の強弱も、普段通りです。
PX-770は構造的にしっかりしており、
白鍵の隙間に小さな紙やシールが落ちても、
内部の音源やハンマーにはほぼ影響しないように設計されています。
「無理に取ろうとして壊す方が、よっぽどリスクが大きい」
冷静になってみると、そう思えました。
🧠 学び:リスクと手間のバランスを考える
この出来事を通じて感じたのは、
「チャレンジは大事。でも、損切の勇気も大事」ということ。
何か問題が起きたとき、
すぐに「完璧に直そう」「全部解決しよう」と思いがちですが、
それがかえって悪化させることもあります。
ピアノに限らず、仕事や家庭でも同じですよね。
例えば、
- 無理に会話を続けて険悪になるより、一晩寝てリセットする。
- 小さなトラブルを完璧に直そうとして、大きなコストを払わない。
- 直感的に「これは放置しても大丈夫」と思えたら、それを信じてみる。
そういう判断こそ、効率的で現実的な「生活力」なのかもしれません。
🎹 PX-770で学んだ“放置力”
PX-770のような電子ピアノは、
構造が密閉されているため、軽い異物なら放置しても大丈夫です。
とはいえ、同じようなトラブルが起きたときのために、
安全な対処法をまとめておきます👇
✅ 取れそうなとき
- 割り箸に**マスキングテープ(粘着面を外向き)**を巻きつけて、軽く差し込む。
- それで引っかからない場合は、エアダスターを手前方向に「1秒×数回」吹く。
⚠️ やってはいけないこと
- 金属棒や強い粘着テープを使う。
- 鍵盤を無理に外そうとする。
- 掃除機を突っ込む。
鍵盤の中にはフェルトやスプリングがあり、
一度ずれると音の反応に影響することもあります。
PX-770を守るためには、
「余計なことをしない勇気」も必要です。
🌿 家庭の小さな出来事にも、幸せのヒントがある
今回のシール事件を振り返って、
私は「家族の反応」にも学びがありました。
次女の素直な謝罪、
長女の助けようとする姿勢、
そして妻の冷静な指摘。
みんな違う形で“関わろう”としてくれていた。
私だけが「完璧に直さなきゃ」と焦っていたのかもしれません。
今思えば、
あの夜の小さなトラブルが、
家族それぞれの優しさと不器用さを教えてくれた気がします。
✨ まとめ
- チャレンジも大事だが、損切りの判断も効率化の一部
- 家庭内トラブルにも、リスクと手間のバランスを考える視点が役立つ
- PX-770のように「壊さない勇気」も、生活効率のひとつ

小さな失敗やトラブルの中にも、
“放置することで得られる学び”があります。
完璧を求めすぎず、
動くべきときと、止まるべきときを見極める。
それがきっと、
家庭も心も軽やかにする「生活効率化」の秘訣だと思います🌿


